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2005年05月10日

情報配信するならもう一工夫必要でしょ

SUMOLIVE.TV相撲が行われている両国国技館内で無線LANによる情報配信サービスが発表された。無線LANアクセスポイントを館内に設置し、相撲に関する情報/映像を館内のみに提供するとのこと。音頭をとっているのはインテルらで、Centrinoの利用拡大に向けた施策として相撲のほかにもレース場や野球のスタジアムなどでも無線を利用した情報サービスをはじめている。ワタシも以前、レース場でこのサービス体験したことがあった。

しかしこのサービス、実はなかなか思った通りライブ映像などを受信ができないことが多い。無線LANの電波がうまくキャッチできなかったり、あちこちウロウロしてようやくつながったと思ったらライブ映像が落ちてこない、まわりにPCを開いている人が見あたらなくても「いっぱいです」とかではねられる。また限られた時間でユーザーを欲しい情報に導くには高レベルのサイトデザインも必要だ。これらどこか1つでもひっかかるところがあると、PCに表示されるデータも見ながら試合を楽しむはずが、コンテンツを表示させることに苦労して試合を楽しむどころじゃなくなることさえありえるのだ。

また、コンテンツを配信させるためのサーバーなども見せてもらったのだが、結構大規模なものだった。さらに、無線LANを利用するとなると、アクセスポイントなどのネットワークインフラも会場が大きくなればなるほど大規模なものが必要となる。その設備を整え、維持していくとなるとある程度知識のある専任者も必要となるしコストもかかる。

おまけに根本的な問題として、観客がPCをこうした場に持っていくことに無理を感じる。レース場なら集まる観客層とモバイルPCを持つ層との重なりがありそうなのでまだわかるが、中高年が中心の相撲はどうか。レースでさえPCを使って楽しむ理想と現実の差を1度体験すると、重くてしかも壊す危険さえある場所に持っていく気も萎えてしまいそう。どうせやるなら簡単操作の小型端末をレンタルするくらい準備をした方がいいと思うのだが…(それじゃCentrinoの宣伝にならない?そこは工夫でしょ)。

もし「データ配信をやれば、そういうのが好きな客が集まるだろう」というもくろみならば、あまりに甘すぎる。まさに「箱だけ作った」だけで、後のことを考えてないお役所的発想にしか見えないのだ。

こうした試みをすることはいいことだと思うけど、記事を見る限りあまりに企画が貧弱というか、本気さが感じられない。しかも相手がITやマーケティングなどに疎そうな相撲関係者となると「だまされているんじゃないか」とさえ心配をしてしまうのだ。相撲の人気は低迷中で「わらにもすがる思い」かもしれないし。いらぬ心配ならいいけど。

相撲を見に来る人に「Centrino搭載のノートパソコンを持ち込めば、Internet Explorer 5以上、Windows Media Player 9以降のアプリケーションを使って誰でも無料でアクセスできる」ってどれくらいに意味が通じるのやら…

takeshi_a at 02:08│Comments(0)TrackBack(1)ITニュース 

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1. [Sumo][Sys]クライアント側の担当者はハイパー師匠なのですね  [ /ja あやつる YmrDhalmel ]   2005年05月10日 19:02
[http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20083364,00.htm:title] ちょとぶっとんだ。 見出しだけ見て、相撲協会側の中の人は誰だろうかと思ったら、妙に納得(納得するところなのか)。高砂親方の相撲人としての懐の深さとハイパーな部屋サイト運営(([http:/

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